フィンランドの母子保健ネウボラ

『ユースウエルネスKuKuNa』幸﨑若菜さんによる、フィンランドのネウボラ&DVシェルター視察 報告会に参加しました。

ネウボラは、フィンランド独自の母子保健システムで、妊娠から出産、就学前までの母親と子どもを包括的にサポートする無料の保健センターです。フィンランド国内には850ヵ所もの拠点があるそうで、身近な存在です。

保健師・助産師・医師・心理士・ソーシャルワーカーが連携して支援にあたり、妊娠中の母親と乳幼児の健康管理、子育て支援、家族全体のウェルビーイングを促進することに重点をおいています。

一人のネウボラナース(保健師のような母子保健の専門職で公務員)が家族を長期間担当し、継続的にサポートするのが特長で、健康問題や育児の課題を早期に発見し、予防的に関わること、母親だけでなく、父親や兄弟姉妹も含めた家族全体の幸福を重視しています。

面談の回数は妊娠中で平均10回以上、出生後から就学前までに15回!一回あたりの面談の時間も長く、しっかり状況を把握し、対応する体制が整っています。

日本でも、フィンランドのネウボラを参考にした子育て支援を目指す自治体はありますが、専門職の継続的な担当制にはなっておらず、サービスが分断されがちなところや、母子を中心とした支援になりがちなところなど、本場のネウボラとの距離感を感じました。ネウボラを目指すのであれば、明確な目標を定め、専門職を育て、切れ目なく支援が届く仕組みを整えることが必要です。

DVシェルターについては、住所が一般に公開されており、避難を必要としている人がその人のタイミングで避難できるようになっていること、DV加害者の更正プログラムも実践されており、成果をあげていることなどについてお話しを伺いました。

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『ユースウエルネスKuKuNa』

子ども・若者のための街の保健室。子どもや若者が性について自ら学び、性に関することを専門家に気軽に相談できる場所です。

地域の大人や専門職に向けた学習会も定期的に開催されています。

江戸川区 “まつしま病院”となり。