市民が主体者となる「協同労働」という働き方

金町にある「おーぷんはうす金町」で話を聞きました。                 

おーぷんはうす金町は、ここちよいみんなの居場所として、人と人とをつなぎ、元気な地域をつくる事業を展開しているワーカーズコープです。フレイル予防や趣味の講座、よろず相談、見守り配食サービスなど、地域にあったらいいなと思う様々な取り組みを実践しています。つい先日は、お弁当を届けた先で、動けなくなっている状況を発見し、消防や救急と連携して助け、事なきを得たということがあったそうです。これは日頃から築かれていた良好な関係による成果と言えるでしょう。

ワーカーズコープは労働者協同組合です。協同労働という働き方をしています。

協同労働は、働く人が出資をして組合員となり、みんなで話し合って主体的に運営し、地域の様々なニーズに応えながら、持続可能で生き生きとした地域社会づくりに向けて事業を行う働き方です。事業は派遣事業以外自由に行うことができ、具体的には、高齢者介護事業・保育や学童保育などの子育て支援事業・農業・林業・就労支援・住宅関連の清掃や管理など、地域のニーズに応じた事業が展開されています。葛飾区にはおーぷんはうす金町の他、親子ひろば、親子カフェ、小規模保育園を運営している事業所があります。

2020年12月に労働者協同組合法が成立しました。この法律は労働者協同組合・ワーカーズコレクティブが長年にわたって働きかけてできたものです。ワーカーズコレクティブは1980年代から生協運動に参加する女性たちが主な担い手となり、自分たちで地域に必要な仕事をつくってきました。少子化、高齢化の進むこれからの時代には、地域での助け合いが今以上に求められることでしょう。自分たちで自分たちの地域を持続可能なものにしていくことが必要です。私は将来、協同労働による訪問看護事業所を立ち上げ、高齢になっても訪問看護をやりたいという夢を抱いています。だれもがこの社会の主体者となって働ける、協同労働というもう一つの働き方が、認知され、広がることをすすめていきます。