気軽に話せる場があること。気軽に話せる人がいること。「医療と介護のおしゃべり会」から

介護のことを気軽に話せる場があるといいね、訪問看護や在宅医療のことを聞いてみたいな、という声を受けて「医療と介護のおしゃべり会」を開催しました。

参加者はお仕事をしながら実母の介護をしている人、遠距離で介護を続けた後に施設での介護に移行した人、介護士としての勤務経験がある人など在宅での介護を経験した人が多く参加してくださり、介護の体験談や介護する家族の思いなど、たくさんの「おしゃべり」をすることができました。

「おしゃべり」の中で一番、こころに残っているのは、平日はヘルパーさんの支援を受けて過ごし、週末は娘さんの訪問を待ちかねているお母さんの話です。ヘルパーさんの前ではよそゆきで過ごすけれど、娘さんが来たときにはヘルパーさんへの不満や生活の中での不満ばっかり話すお母さん。娘さんは良くしてもらっているヘルパーさんに申し訳なかったり、会えば愚痴ばかりでストレスを強く感じていたりするけれど、お母さんは娘さんが来たとき食事を普段より多く食べるそうです。話せば不満ばかりですが、娘さんを頼りにしているのですね。「施設に入ってもらうことも考えたこともあるけれど、母はやっぱり娘がいいんですよね。かなりのストレスですが何とかやっていこうと思っています。」と、娘さんは話していました。介護に携わった経験のある私は、週末もヘルパーさんの支援を依頼し、娘さんは介護ではなく家族として一緒に食事をしたり話をしたりするための訪問をしてみたらいいのではないかと考えるのですが、家族はそんなふうに割り切れない思いがあるのですね。娘が介護した方がいい、週末だけなら大丈夫、他の人だと食事がすすまないからやっぱり行かないと、などと頑張ってしまいます。

参加者からは、「なかなか、状況を変えるのは難しいから、わかってもらえる人に話す機会があるといい。」「話すだけでも気持ちが軽くなる。」という声が聞かれました。まずは、気軽に話ができる場をつくること。それが大切だと改めて気づかされました。                                       

介護に関わらず、困りごとの解決の第一歩は丁寧に話を聞くことだと考えます。一人ひとりの小さな声を聞き、区政に届け、たくさんの人の困難を改善していきたいです。

次回は7月を予定しています!