地域に根ざす「子ども食堂」

かつしか子ども食堂・居場所づくりネットワーク代表の緒方さん、パルシック(みんかふぇ)の大坂さんに子ども食堂について話を聞きました。                     

子ども食堂は、子どもがひとりでも入れて、無料か低料金でご飯が食べられるところ。子どもだけでなく高齢者や赤ちゃん連れのお母さんなど、いろいろな人がつどえる地域の憩いの場でもあります。活動は、助成金と寄付、ボランティアに支えられています。

日本の子どもの7人にひとりが貧困といわれていますが、学校給食以外に食事ができない子どもや、金銭的に問題がない世帯・生活保護を受けている世帯でも、ネグレクトなどにより食事を食べられな い子どもがいます。

子ども食堂では活動を通じた交流から子どもや親との関係性ができ、困っていることを話してもらえる ようになるそうです。生活保護の職員を拒否する人でも、子ども食堂のスタッフには話をしてくれる場合があり、支援につなげることができるようになるのです。社会福祉協議会、子ども相談センター、民生委員、スクールソーシャルワーカー、社会福祉法人など多くの機関と連携しながら、活動しています。

課題としては、資金面の困難さがあり、どうやって継続していくか日々綱渡りのような状態です。葛飾区では「子ども応援課」がありますが、子ども食堂関連の取り組みは少ないのが現状です。

子ども食堂につながることができた子どもがいる一方、誰にも気づいてもらえずに、一人で悩んでいる 子どももいます。子どもだけではなく、大人でも社会の中で孤立した状態で困っている人はいます。また、自分自身が置かれている状況に気づいていない人もいます。                                       

葛飾区では「葛飾区子ども・若者応援ガイド」という冊子が作成されており、子育て・ひとり親家庭・いじめ・虐待・子ども食堂など、様々な支援や相談先が掲載されています。配布場所は子ども応援課、地区センター、区民事務所、図書館、保健センター等。しかし、子どもは自分でこれらの支援情報を得ることができるのでしょうか?支援はそれなりに整いつつあるかもしれませんが、本当に困っている子どもを支援につなげる具体的な取り組みは不足しているのではないでしょうか。

子ども食堂はひとりひとりに寄り添い、必要な人を支援につなげる具体的な取り組みの一つであり、 直接的な支援の場でもあります。果たす役割は非常に大きいにもかかわらず、その活動は資金面な どで不安定な状況にあります。子ども食堂が安定的に運営していくには行政の継続的な支援が必要です。

社会との接点が乏しく、気づかれなかったり、支援につながらなかったりして困っている人が、誰かとつながることができ、支援につながる仕組みを整えていきます。