訪問看護のことをお話しします その1

訪問看護をご存知ですか?

私は今まで訪問看護を知っている、利用したことがあるという方にほとんど出会ったことがありません。訪問看護をしていると話すと、たいてい「介護士さん?」「訪問看護って何をするの?」「一人で訪問するの?先生と一緒?」と聞かれます。実は、看護師の中にも訪問看護をよく知らない人は少なくありません。

 

どうして訪問看護の認知度は低いのでしょう?

・訪問看護の始まりは1887年頃の派出看護と言われているものの、本格的に始まったのは 2000年の介護保険法の施行後であり歴史が浅いこと。

・看護師養成課程おいても訪問看護などについて学ぶ「在宅介護論」が盛り込まれたのは1997年からであり、それ以前の教育を受けた看護師は、今の形式の訪問看護について学んでいないこと。

・看護師のうち訪問看護に従事している人の割合は4%ほどと少なく、実際に訪問看護を利用したことのある人が少ないこと。

などの理由が考えられます。

しかし、10年前は訪問看護に従事している看護師の割合は2%でしたからこれでもずいぶん増えてはいます。2021年3月現在、葛飾区には49もの訪問看護拠点があります。病院に退院支援看護師が配置されたり、退院前に病院で本人・家族・医師・看護師・薬剤師・ケアマネジャー・訪問看護師・福祉用具担当者・介護士などが集まり、退院に向けたカンファレンスをする機会も増えています。訪問看護師のことや訪問看護をもっと知ってもらえたらいいですね。

 

訪問看護はどんなサービス?

訪問看護は看護師が自宅に訪問して、その方の病気や障がいに合わせて、その方の心身の健康にとって必要なケアを行うものです。主治医の指示を受け、点滴などの医療処置を行うこともあります。自宅で最後を迎えたいという希望にも、ご家族・ご本人と相談しながらこたえます。

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公益財団法人 日本訪問看護財団小冊子版「こんにちは!訪問看護です」より

訪問看護師の行う看護

・健康状態の観察

・病状悪化の防止と回復

・生活や介護の相談とアドバイス

・リハビリテーション

・点滴や注射、人工呼吸器管理、人工肛門のケアなどの医療処置

・家族へのケア(認知症、終末期、難病など家族にも不安や負担感などがある。家族が安心して介護ができるよう相談などを行う)

・夜間等、緊急時の対応

・主治医、ケアマネジャー、薬剤師、施設サービス、介護士、理学療法士など

関係者との連携

などです。

 

病院は治療をするところ、自宅は生活の場です。病気や障がいがあっても、自宅でその人らしく過ごすお手伝いをする、その人や家族に寄り添い、その人の幸せのサポートをすることが訪問看護師の役割です。

主治医の指示のもと、専門的な治療をのぞいて、病院でできるほとんどのことは在宅で可能です。(その2に続く)