子どもたちが暮らす未来へつなげる エネルギーアクション

未来へつなげる♪エネルギーアクション学習会に参加し、環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也さんのお話を聞きました。

福島第一原発事故から10年。事故の終息も未だ見えないなか、トリチウムなどが含まれる処理水の海洋放出を進めようとしている現状があります。事故後、原発に対する日本人の意識は推進から削減・全廃へ大きく変わってきましたが、政府はいまだ原発再稼働の推進、石炭火力への依存を続け、再生可能エネルギーの導入が遅れています。

この10年で世界の太陽光・風力発電は拡大しました。当初はコスト高だったものの、技術学習効果による継続的なコスト低下もあり、風力は70%、太陽光は89%もコストが低下しています。太陽光の発電コストは高いと思われていますが、現段階ですでに新設の石炭火力の発電コストより太陽光を新設した発電コストの方が安くなっています。今後は既設の石炭火力の発電コストよりも太陽光の発電コストが安くなる見通しもあります。世界ではすでに太陽光発電の電気が1キロワット時あたり4円で取引されているところもありますが、日本では初期の高い固定単価で稼働している太陽光があることと、大手電力会社が新規の再生エネルギー事業者に高額な送電線接続負担金を支払わなければならないこともあり、太陽光発電の電気の原価が1キロワット時あたり10円弱と比較的高い現状にあります。一方、石炭火力発電は4~8円程度です。

飯田さんのお話を聞き、想像以上に再生可能エネルギーでの暮らしが可能なものになってきていることに驚きました。再生可能エネルギーがコスト面でも優れているのであれば、大きなリスクがあり、コントロールすることのできない原発や温室効果ガスを多く排出する石炭火力発電を減らしたいし、それを選ばない理由はないと思います。

一番印象に残ったのは、「コストうんぬんより気候変動抑止、持続可能な方法として太陽光や風力などの再生可能エネルギーが不可欠で当たり前」という、持続可能な方法を選ばないなんておかしいという強いメッセージです。

脱原発、再生可能エネルギーの活用を進めよう、というと、目標が大きくて一人では何もできないと思ってしまいそうになりますが、一人でもできることがあります。

①再生可能エネルギーの電気を選ぶ。

(原発や石炭火力の電気は嫌だよ、という意思表示になります)

②電気の消費を減らす工夫をする。

③緑のカーテンを利用する。

④移動は自家用車ではなく、公共交通機関を利用する。

⑤自分のしている取り組みについて、友人と話す。など。

一人一人のできることは小さなことだけど、小さなことを積み重ねていくことで変わっていきます。

葛飾区では「葛飾区地球温暖化対策実行計画」のもと、温室効果ガス排出量の削減や、環境への負荷を減らすための取組みを進めています。2020年には「2050年までに温室効果ガス(二酸化炭素)の排出量実質ゼロ」をめざすことを宣言(ゼロエミッション葛飾宣言)しています。

個人の取り組みだけでなく、葛飾区でできる具体的な取り組みを提案し、子どもたちが暮らす未来を、安心で安全なものにしていきたいと強く思いました。