六甲ウィメンズハウス 関西視察その2

兵庫県神戸市にある女性と子どものための自立支援住宅「六甲ウィメンズハウス」を見学し、ウィメンズネット・こうべの取り組みについて代表の正井禮子さんに学びました。

DV、性暴力、貧困など困難を抱える女性に寄り添い、支える活動を30年以上続けてきたNPO法人 女性と子ども支援センター ウィメンズネット・こうべ が、
『困難を抱える女性や母子が “ここにしか住めない” ではなくて “ここに住みたい” と思える家をつくりたい』
と、思い描いてきた住まいが完成。

入ってすぐにはパブリックエリア。
ロビーやキッズスペース、コミュニティカフェ、学習室、シェアオフィス、相談室があります。

プライベートエリア(居室・ランドリールーム)は住む人のエリア。安心・安全が守られるようにできています。
IKEAの家具が備えつけられた室内は明るくておしゃれ。単身~親子の部屋があります。

困難を抱えた女性の悩みに寄り添い、精神的・経済的に自立して、出発することを目指すウィメンズハウスは、礼金・敷金が不要で家具も備えつけ。入居の前に、現在の状況などについてお話を伺います。状況によっては入居以外の支援を提案することもあるそうです。

入居期間は最長で3年。
入居後も定期的に面談を行い、精神的・経済的に自立するまでの支援を行います。

入居者からは、だれかがいる安心感がある・孤独感がやわらいだなどの感想が聞かれ、キッズスペースなどでの交流も好評とのこと。

入居の対象となる方は
・自立を希望する小学生までの子どもがいるシングルマザー
・就労を目指す18~20歳くらいまでの女性
・経済的困難を抱えた女性の留学生
など。

正井さんの
「支援はお金よりも、孤立させないこと」
「社会の貧困度がひどくなっており、子どもにしわ寄せ。子どもの心のケアが求められる」
「台湾ではジェンダーについて義務教育で系統だてて教えているからジェンダー主流化すすんでいる、女性議員も多い」
このあたりの言葉が胸に響きました。

また、住まいは単に雨風をさえぎるだけのものではなくて…安心して暮らせているかが大切で…イギリスでは家に住んでいてもパートナーの言動に怯えたり気をつかっている人は(家に住んでいても)ホームレスとされ、支援が受けられるそうです。

『住まいは人権』

人権を守るって、食べて寝るところがあればOKではないのです。

正井さんには、諸外国の状況、災害避難所での女性の困難やイスタンブール条約のことなど、更に学びを深めて活動に生かすよう、数々の宿題をいただきました。ほんとに大変充実した、あっという間の時間でした。

今回の関西視察は
大阪泉南市→大阪市→兵庫県神戸市→滋賀県大津市と大移動!そのぶん実り多いものでした。